2017年7月11日火曜日

”奪われた”からだ

長年、受講生と接していて気付いたのは、
誰でも普通にできる、と私が考えていたからだの使い方が
できなくなっている、人がほとんど、ということなんです。

あるいは、感覚的に理解し難いものになっているようだ、

ということなんですね。

例えば、同手同足。
例えば、体重移動する時や向きを変える時の
股関節 を使う動き

私は、こうしたからだの使い方は、
特別のものではなく、日常にあるものだと理解していました。
というのも自分の場合はそうだったからです。
特別の訓練を受けて習得した、というわけではなく
気がついたらそうしていた、という類のものです。

それらは、子どもの頃、田んぼの畦みちを苗を運んだり、
毎日させられた雑巾がけだったり、
あるいは、台所の板の間に座り込んで
すり鉢を動かないようにしている役割だったり、
解かれて束になっている毛糸に腕を通してピンとはり
巻き上げるのに合わせて動かしたり、

のちには、鎌で稲を刈ったり、
鍬で畝を作ったり、

遊びもからだを使うものもがたくさんありました。
お手玉だったり、おしくらまんじゅうだったり、
あやとりだったり、そり遊びだったり。


からだを使って、寄りかかったり、リズムをとったり
踏ん張ったり、ぶら下がったり、
誰かと息を合わせたり、
毎日、そんなことに溢れていました。
そしてそれらが上手に出来れば出来るほど
手伝いも遊びも、楽しくうまいこと行えたのです。

しかし、思い返してみるとそれらは
私の子供時代の話であって、その後、急速に消えていった生活でした。
家事は電化され、農作業の多くは機械化され、からだをうまいこと使わなくても
あるいは使えなくても、便利に速やかにいろいろなことが
行えるようになりました。

おそらく、私は、そうした”からだ”を使った生活の
体験のあるなしの境目の世代だと思われます。

私から上の世代は、そうした生活の経験を持っており、
私から下の世代はそうした生活の体験は極めて少ない、

そういうことなのではないかと思います。
コースに来てくれる方々は、ほとんど私より
歳若い人たちになってしまっていますから、
からだの使い方の常識が違ってしまっているのもうなづけます。

実技習得のコースでは、
基本的には、私のデモンストレーションを見ていただいて
その後、相モデルで実技実習を重ねていく
という方法で進めていきますが、

デモを見ていただいただけでは、からだの使い方は
読み取っていただけないんですね。
なぜなら、ほとんどの人が私とは全然違った、というか
真逆のからだの使い方をしているからなんです。

私はそれを逆手、と呼んでいるのですが、
踏み出した足と逆の手を使って、触れようとすることです。
そうすると体軸にねじれが生じて、
実は、ゆったりセラピーの触れ方としては、いろいろなことがうまくいかないのです。

一見、同じ手技をしているように錯覚するのですが、
 寄りかかれない、手のひらに力が入って感覚できない、
ということが起こります。
寄りかかっているつもりが、圧迫になりがちです。

そして、それはからだの使い方のクセとでもいうふうに
体に染み込んでいて、
常に踏み足と逆の手を差し出したくなります、
そうではなくしようとすると
なんだか違和感があって混乱してしまう、という 代物です。

私は基本、逆なんですね。
踏み出す足と同じ方の手を差し出して手技を行おうとし、
(同手同足)
もし、逆の手を使うと違和感を感じるのです。

最初、私は、なんでわざわざ逆手を使うのかなー
それってしんどくないのかなー
でも、そういうふうにしたいのだから
それでいいのかなー、でもなんだか違うような気がするー

とのんきに思っていました。

多くの人にとっては、
私にとっては逆手、と呼んでいるからだの使い方が
普通であり、日常になっているのです。

私にとって、これは驚くべきことでした。

しかし、だんだんとそういうからだの使い方をしている限り
ゆったりセラピーのタッチの質は実現しないことに気づいていきました。

これは、現在インストラクターとして活躍している
社)ゆったりセラピー協会のメンバーの忍耐強い、タッチの質への探求の賜物です。


ミヒャエル・エンデの「もも」という物語を読んだことはありますか?

時間泥棒に盗まれた時間を、ももという女の子が
取り返してくれる、というお話です。

この物語は、
近代文明の本質を巧みに表現してくれて、
しかもその罠からどのように抜け出すのか、
つまり盗まれた時間をどうやったら取り戻せるのかまで
語っています。
 

私たちは、この社会の中で、時間を盗まれるとともに
からだも奪われているのかもしれません。

多くの受講生が、
ゆったりセラピーのからだの使い方がすぐには飲み込めなくて
できない、と悩みます。

でも、それは「できない」のではなく
奪われたのだ、

私は、今ではそう理解しています。


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