手が正中線を通る腕の動きその1

みなさんはコースの中でさまざまな腕の動きのワークを習い、
実践されていると思いますが、
「手が正中線を通る動き」についてここで詳述したいと思います。

少しづつ書いていきます。。
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エサレンボディワークのコースの中では、「ロングストローク」の習得は重要なポイントと言えますが、

その他に特徴付けられることとして「動きを使う」ということがあげられます。コースの中でさまざまな「動き」がエサレン講師から示され、受講者は、それら をなぞるように実習していきます。そうした動きを適宜セッションの中に組み入れて行くことで、受け手側にとっては深部のと言いますか、いままで意識するこ との少なかった身体感覚を捕まえていくことになります。

私がほとんどすべてのセッションに使う腕の動きとしては「手が正中線を通る腕の動き」があります。どうしてこの動きを多様するかというと、私にとってはそ の動きを行うことで、クライアントの肩関節の緩み加減、腕の使い方のクセ、また、肩甲骨周りの筋肉群の緊張具合特には菱形筋のどの部分に緊張があるか、等 を把握できるので使うことが多いのです。この動きは、肩関節のみならず、肘関節も含まれた複合された複雑な動きであり、ストレッチするための動きとは本質 的に異なった質の動きといえます。フェルデンクライス・メソッドで使われる動きだということです。

この動きのデモンストレーションが示された後の受講生の実習をみていると、ほとんどの方が違った動きをまずは行っていることに気が付きます。しかしなが ら、エサレン講師は、その動きを「これが正しい動きだ」と手直しすることは少ないのです。他人の身体を「動かす」ということ事態がたいへん新しい体験で あって、まずはそれに慣れてもらいたい、という気持ちもあるし、また、「動き」自体に間違った動きというものはありません。身体を「動かす」という行為に はそれ自体が複雑な多様性を含んだものなのだと思います。なので私も興味深く、受講生の「手が正中線を通る腕の動き」を観察してきました。そうしてかれこ れ10年近く観察することになりました。

さて、ここ2,3年私は自分でも1日講習ということで「心で触れるボディワーク」と銘打ったエサレンアプローチを教えるクラスを持つことになったとき、前 面のデモンストレーションではこの「手が正中線を通る腕の動き」を行うことを選びました。なぜなら、複雑な動きではあるけれど、エサレンのアプローチの考 え方や身体の見方を伝える動きとしては端的な感じがしたし、動き自体は、軽く動かすものなのでやってみてもらいやすいと思ったのでした。ところがこの動 き、意味合いを詳しく説明し、しかも受講生の目の前で現実にやってみせてもいるのですが、実際に実習してもらうとほとんどの方が、全く別の動きをするので した。

なぜなんだろう?

とそれまでの資格コースでの体験もあり、疑問に思ってきたのですね。
その疑問が、解剖学の受講生のレポートを拝見させていただいている間にちょっと腑に落ちてきたのです。(続く)

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