着物の身体感覚


 このところ、着物にはまっている。というわけで、8月3日(月)に行った研究会は「ゆったりセラピー体験」ということで、私はおかみとして、いらしたお客さまにごあいさつをするという担当であり(笑)、その気になるためにも、と着物を着た。たすきがけをしているのは、いろいろ事情が重なって、このあと一本セッションをすることになったからです。



 母が亡くなって、早くも20年以上が過ぎ去り、母の遺品整理はとうの昔に終わっていて当然のことなんだけど、納屋の中のタンスがひとつ、手つかずだった。一回ちょっとのぞき、少し整理して、着物が入ってることは分かっていたが、それから何年経ったのか、ほったらかしになっていた。そしてまた、ある日叔母に着物をもらった。ちょっと渋いピンク色の小紋と名古屋帯だ。「これ、あんただったら、ちょうどいいんじゃない?あげるから、着なさい。」と言う。
「はい? え、いや、あの、着物、着ないんですけど」と心の中でつぶやいたけど、その着物もそのそのタンスに収まることになり、数年。

 着物が着てみたいなーという気持ちは、むくむくとあったけど、そう易々とじゃあ着ましょう、という訳にも行かないのが着物だ。だけど、ご近所のお寺さんでお茶のお稽古をしていることがわかり、とうとう今年になって通える算段がついた。さて、じゃあ、着ましょうとという訳です。
 改めてそのタンスをあけてみるとほったらかした割には、どの着物もそこそこ状態はよく、着物を着るにあたって、新しく買わなければならないものは、何もなかった。肌着くらいは新しい物を着ようかと買ったくらい。

 さて、そうやって始まった着物ライフ、次に聞かれるのが「自分で着れるの?」とか「着付け習ったの?」とかでしょう?

 我々50代の親の世代は、80代前半くらい?、普段着に着物をきていた最後の世代ではないかな。よって、子供の我々が最初に着たものは、ガーゼの手縫いの肌着であり、浴衣をほどいたオシメがあてがわれ、大概はおばあさんが手縫いしたであろう、ねんねこにくるまれていたのであります。はい、昭和です。そして、何かというと着物を着せられて、丹前をかけて寝かされていたわけです。

 なので、身体のどこかに着物の記憶があり、なおかつ私は、中学生くらいのときには、ちゃんと自分でお端折をつくって着物を着、ウールの半幅帯で文庫を結び、盆踊りに出かけていたのだよ。お太鼓は結んだことはなかったけど、なんとかなるんじゃあ、と思った。というわけで、着付け教室に行く時間的余裕をつくるよりは、ガイドブックを購入し、自分でやってみることを選択、現在に至る。とはいえ、2度ほどそのガイドブックを出してる着物屋さんの単発ででれる教室に行きました。で、まあ、そこそこ、一人で着物をきて出かけてもいいか、くらいのところです。

 とはいえ、着方に関しては、まだまだこれからいろいろ研究できるなーと思っていて、これも楽しみ。例えば、どこにどのように補正を入れたらいいか、とか、腰紐をどの位置にどれくらいの締め加減がいいか、とか、帯の締め具合とか、結び方とか。着る着物によってそれらは微妙に違うし、また、帯揚げや帯び締めの選び方や、季節によって着物を変えていくということなんか、めんどくさすぎる、と思っていたことがやってみると案外楽しい。そして、それに取り組むことが、私の心身のバランスをとてもよくしてくれるように思う。





 特に、以前から私は、第3チャクラが弱いなーという感じがあって、帯で第3チャクラの位置をきゅうっとちょうどよく締めてもらえると、いろいろな意味でサポートされる感じ。エネルギー的なサポートというか、、、なので、私にとって着物を着るということは、これまた、こたえらない感じなのです。まだ着るのに30分以上はかかるので、そうそういつもという訳にはいかないけど、出来る限り、着物を着よう!と思う訳です。

 着物を着ていくときに、着る動作により、自然と腹が決まり、正中線がばしっと決まる感じがあります。そして、特に帯を締めるとき、帯の形を決めるときに、毎回きゅっと汗ばむ感じがある。エネルギーアップな感じです。体幹も鍛えられていているかなと思います。
 着物を着ると思うと、何日か前から、着る着物や小物の組み合わせをを考えることになりますが、それは、出かけて行く先の場に対して、自然にエネルギーを送り、また自分の身体が、その場に対して出来上がる感じもする。
 出かける先のことやそこに集まる人たちのこと考えながら、ふさわしいかなとあれこれ選んでいく感じが、それまでそういうことに時間を費やしてこなかった私にとっては、とてもいいトレーニングになっているなーと。

 また、着物を着て時間を過ごすと、皮膚にまとった着物の質感が、境界線をくっきりと感じさせてくれ、またすみずみまで、自己の身体感覚を喚起させてくれるのにも気づきます。特に常に足下に意識が行く感じです。

 日本人が、日常に着物を着ることをしなくなって失ったことって、案外大きいのかもしれません。

 さて、ゆったりセラピー体験会、本当は施術を行う予定ではなかったから、着物を着た訳ですが、長いこと関わっていただいている方が、その時間ならなんとか行けるけど、と連絡をくださった。でも、その時間帯は、施術の枠は全て埋まっていて、事務局は一度お断りをしたようなのだけど、ベッド一台くらいなら、余分に出せるスペースがあるし、ベッドも余分なのかあるはず、とじゃあ、私がやります!!ということで、一枠急遽増やして、着物でゆったりセラピーの施術1時間やることに。

 あとで、みんなに足が開けなくてやりづらくなかった?と聞かれたけど、足が開けない分、余分に腰を落とすことで対応、まったく問題なかった。むしろ、この体験で、着物がどのように自分の身体感覚を鋭敏にしてくれているかに明確に気づくことになった。



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<心で触れるボディワーク本格コース>
8月17日(月)スタート
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一般社団法人ゆったりセラピー協会
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