交感神経が十分に沈静化するか、どうか
ということで、
リラクゼーションなんだよ、
気持ちいいんだよ、
と言っているわけですが、
ゆったりセラピーの”効果”を解剖生理的に説明すると
どうなる？ということで以下の５点を前回あげたのでした。
１、自律神経系のバランス
２、内分泌系の変化とバランス
３、原始感覚系の活性化
４、脚部の筋肉群の連動性の回復と体軸感覚の復活
５、筋肉は、感覚器官なのだ。（もちろん、皮膚も）
今日は、１、の自律神経系のバランスを
振り返りましょう。
まず、自律神経系って何？って話なんですが、
こんな説明を遠い昔、中学や高校の理科や生物の時間に
聞いた記憶があるでしょうか？
自律神経は呼吸や体温、血圧、排せつなどの機能を維持するために
自分の意志と関係なくはたらく神経の総称で、
交感神経と服交感神経がある。
交感神経は、心身の活動を活性化させ、
血圧を上げる、心拍数を高める、発汗を促進する、
筋肉を緊張させるといったはたらきをする。
副交感神経は、心身を休ませるために活動性を抑えて
回復、修復させるはたらきを持つ。
具体的には、血圧を下げる、心拍数を低下させる、
発汗を抑える、筋肉を弛緩（しかん）させるといったようなことや
また唾液や胃液の分泌を増やして消化を促進させるはたらきがある
交感神経は活発に活動しているときにはたらいて、
副交感神経は睡眠中や休息中などリラックスしているときにはたらいて
心身のバランスを保ってくれている
ということでしたね。
さて、実証実験でした。
2014年の11月12月に行っています。
着衣での施術で、
返しのある施術と、ない施術を
同じ被験者の方に受けていただいて、
リラッックスの度合いがどのように違うか、
ということを自律神経系の数値を計測、
POMSという被験者の感じていることを記述するフォームを
使った調査
上記の2点を行いました。施術時間は１０分間。
どうして１０分間かというと、
私の経験では、１０分くらいでだいたいほとんどの方が
ゆるんでくる、ということを体験しているので
最初のセトリングと、背面、脊柱起立筋への寄りかかり
ゆったり整体の始めの１０分間を
返しありとなしの両方受けていただいて
計測しました。
施術者は、ゆったりセラピー協会理事で
当時梅ヶ丘にサロンを展開する（現在は豪徳寺）坂田。
被験者には、山口先生のゼミの学生さんと
坂田の呼びかけに答えてくださった方々
合わせて８名。
==
という設定で行ったわけなのです。
そう、「返し」のあるなしでリラックスの度合いに
違いがあるかどうかに着目したのですね。
ざっと、山口先生からは以下のような分析結果を
いただいています。
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＜自律神経の活動について＞
・副交感神経の活動は「返しあり・なし」ともに高まる
・交感神経の活動は、「返しなし」は高まるが、「返しあり」は低下する
・上記の自律神経の活動と、気分（活気）の効果が一致する傾向がある
考察として、上の３つのことから、「返しあり」の方がより深いリラックスが得られるといえるのではないか。
これは、坂田さんの報告にあった、坂田さんと参加者からの感想とも一致するように思います。
感想にあった「返しあり」の方がすっきりした」、というのは、より深く眠ったためと考えられます。
＜気分（ＰＯＭＳ）について＞
「返しあり」の方が「ポジティブな身体感覚が高まる」ことがわかりました。
これは参加者の感想「身体を大切にされている感じがした」などと一致しますね。
＝＝
ゆったりセラピーの触れ方の特徴の
もっとも他の施術と異なるところは、
「返し」という概念なんですね。
そして、この実験結果では、
交感神経の活動は、「返しなし」は高まるが、「返しあり」は低下する
ということでした。
「返し」というのは、
触れられたことに対する、受け手の方の内側からの元に戻ろうとする
あらゆる動き、反応、と言ったらいいでしょうか。
ゆったりセラピーの施術では、
施術者が「返し」に気づき、捉え、寄り添うことが
できるようになる、ということが大切で
受講生のみんなは、そこで苦戦もするけれど
多分、そこの面白みを感じてくれているかなぁと思います。
リラックス、というと自律神経的には
副交感神経が活性化すればいい
ということなんですが、
実は、もう一つ
交感神経が十分に沈静化するか、どうか
ということが重要なんですね。
ゆったりセラピーにはその力があるのです。
そして、そのための触れ方ができるようになる
カラダの使い方を懇切丁寧にお伝えします。
実は、それをやっていったら、
「和のカラダ」に行き着いちゃったんです。
行き着いた本人（鎌田）も え、ここ？とびっくりなんですけどね。
ではでは、次回。
次回は、触れられることで分泌されるホルモンについて
おさらいしていきましょう。
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＜鎌田麻莉プロフィール＞
エサレン®ボディワーク（全身オイルトリートメント）の日本の草分け的存在。1987年単身米国に渡り、それから5年、ニューヨーク市に住む。その間、気功、太極拳、ヨガ、チベット仏教に出会い、西洋文化の中で東洋の哲学と身体技法を学ぶこととなった。また、台湾人鍼医の日本人顧客向け通訳としてアシスタントを務め、同時に経絡・鍼灸・漢方処方を学ぶ。その後、ナチュラル・ヒーリングを志して、1990年1月にカリフォルニア州エサレン研究所の集中トレーニングを終了、同年認定。ボディワーカーとしてのキャリアをスタートさせた。1992年に帰国し、日本でのエサレンボディワークの実践をスタート。
1999年－2007年、日本で初めてエサレン®ボディワーク資格認定コースを主宰。「エサレン」の名を日本に広めた。2008年より、心で触れるボディワークスクールを開校、自身で教え始める。震災をきっかけとして2011年より、エサレンのアプローチを着衣のままで受けることのできる「ゆったり整体」の研究開発に着手、それまでの施術者としての経験を「ゆったりセラピー」としてまとめあげた。2013年、社）ゆったりセラピー協会を設立し、セラピストの育成とともに認定講師の養成に注力し、エサレンメソッドを日本の風土と文化に見合う形での普及に取り組む。和のカラダを提唱する。
現在、岩手県花巻市在住、温泉サロン・リラクセーション水心及び、町中サロン・ゆったりサロン絆で、ゆったり®️セラピスト続行中。スクールも花巻にある。
ゆったりセラピスト・鎌田麻莉のHP
カラダ・最後の砦を守り抜くために
https://kokorodefureru.com/
地球とつながり、心で触れる
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エサレンアプローチへの一つの明確な答え
（月３−４回配信）より
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