ちゃんと寄りかかろう、ではなくて 「感じる」、にシフトするということ

 ゆったりセラピーの触れ方では、「寄りかかり」が大切です。

受講生の皆さんは、それに真摯に取り組んでおり、逆説的ですが取り組んでいる結果、どうも、ちゃんと寄りかかれてていない感じがする・・・これでいいのかな・・・

という疑問のループに陥りがち、ではあるのです。

実は、寄りかかりづらくするカラダのパターンというか、カラダの状態、心のあり方も含めて、現代社会の生活様式は、寄りかかれない状態というものをカラダを通して私たちに強いる、と言ってもいいのでは、と私は考えています。価値観、という面でも、自立、あるいは自律ということや、それに伴っての自己責任が強調されています。されすぎている、という感じじがするなぁ。。。  ちょっとその話はしばらく置いといて、

じゃ、なんのために寄りかかるの?!と問いかけてみようと思います。


多分ね、十分な圧をパートナー(受け手)に与えたいからという答えが浮かんでくるのかなと思うのですが、実は、ここがワナなんですよ。

と、ここ数日考え続けてハタと思った鎌田です。


「寄りかかり」とセットで「返し」が重要なんでしたね。「返し」というのは、寄りかかりを解除した際に生まれる、パートナーのカラダの自然な動き、

(大抵は、わずかなあるかないかの動きなのですが、)

でした。

この「返し」、「寄りかかり」を解除したら生まれてくるものと思っていませんか?

実は、寄りかかっている最中に、私は「返し」を感じているな、と気付いたのです。「返し」を手のひらで感じられるように微細な調整をしながら触れていくのです。触れるということは私にとって、イコール、寄りかかっていくということと同じ感じがするんですね。そして、微細な調整とは何かというと、それは寄りかかる角度、向きなのです。

なので、必然的にゆっくりになりますし、寄りかかりの向きを探りながら寄りかかっていく必要があるのでやっぱり、さらにゆっくりになります。そして、それは、ある程度の傾向はあるものの、微細なレベルでは、固有のものです。カラダによって微妙な違いがあるのです。だから、感覚するしかないのです。今ここを。この方のおカラダは。今どういう状況ですか?と。そして、何を感じるかは、触れて感じてみるまでは全く分からない、のです。

そこが重要なのではないかなぁ。

「返し」というのは、寄りかかった後、または寄りかかりを解除したら、生まれるのではなくて触れている最中に感じているものだと思います。そして、返しとは、パートナーのカラダをその手のひらで感じ取っている、その感覚そのものとして私は認識していて、寄りかかりを解除するとそれは動きとして可視化するのですが、触れている最中はパートナー(受け手)のカラダそのものとして手のひらの感覚で”捉えて”いるのです。

ここに意識のシフトがあるのではないかと思います。

つまり、

「私はちゃんと寄りかかれているだろうか」

ではなく

「私は今手のひらで、パートナーを感じている」


ちゃんと寄りかかろう、ではなくて

「感じる」、にシフトするということ。

すると、自分自身のカラダのあらゆる感覚にも気付きますし、同時にパートナーのカラダの様々、にも気づきます。

例えば、ですが、肩甲骨の内側の角に寄りかかろうとすると、方向としては、肩甲骨が外に広がっていく方向の方が、寄りかかりとしては自然に感じられます。そして、ここがどんぴしゃりの方向に寄りかかれると、肩甲骨は、すーっと(パートナーの)下方に広がってゆく、つまり、肩甲挙筋の伸びが起こります。こうしたことは、一ミリ以下の単位のレベルのことかもしれないので、触れている時には、動きは目に見えないかもしれない、でも、手のひらの感触では感じます。そして、その手をそっと離すと、肩甲挙筋以外の筋肉も含めて、ゴムの伸縮が元に戻るような動きが起こり、その動きは目に見えやすい。これが、「返し」であるわけですね。

ちゃんと寄りかかろう、ではなくて、私は(触れている私の手のひらは)何を感じているだろう?という、この意識のシフトがゆったりセラピーの核と言えるのではないでしょうか?もし、この意識のシフトがなされていれば、

ちゃんと寄りかかれているかどうか、というのは大した問題ではないような気がするんですけど。ちゃんと寄りかかれている、いないは、触れている本人の判断でしかないんですよね。受け手(触れられている側)が何を感じているかは、別次元の問題であります。そこも重要で、いつもここに気持ちを向けていないといけないですよね。それが、私にとっての、「触れる」ということなのです。

とはいえ、やはり現実に寄りかかりづらい(寄りかかれない)カラダのパターンというのはあると思うので、施術者は自身のそれに気付いて日々の練習を行う、ということはやっぱり必要かな、と思いますが、

いざ、「触れる」となったら、できているかどうかという”思考”は

さっぱりと手放して、
”感じる”にシフトしないといけません。


私は、長年それに取り組んでいるうちに自分自身の和のカラダ、に自然に行き着いたような気がするんですよね。




さて、 ゆったりセラピーは、施術者のカラダを傷めず、しかもお客様の満足度、リラックス度は、深~い、ということを売りにしています。そこらへんのことは、「タッチの質」という風に表現しています。

ゆったりセラピーでは、どんなふうにそれらが実現可能なのでしょうか。
 

ゆったり協会を設立してこの10余年、しつこく言い続けてきたことでもあるのですが、それが、「寄りかかり」の身体感覚で触れていくことが大切なんだよ、ということでした。

寄りかかれている時には、これだ!という感じがあるから

もし、これだ!という感じがないのなら

それは寄りかかれていない、のだよ。

と鎌田は、最初の頃は言っていましたー


つまり、何かのコツをつかんだときって

「これだー!!!」みたいなドンピシャリ感があるものですよね。

施術に限らず、スポーツでも、楽器の演奏や、踊り、などカラダを使うものって全部”コツを掴む”感じの身体感が伴うものだと思うんです。そのコツ、を言葉で全部表現するのは意外と難しく仮に表現できたとしても、実際にやれるようになるにはやはりそれなりの時間がかかる

つまり、それが練習とか、稽古、な訳ですよね。

でも、ただただがむしゃらに練習や稽古に励めばいいかというとそうでもない、わけです。

カラダっていうのは、無意識レベルの動きが常に付きまといます。その人が生まれ落ちた時から現在までの体験に総合的に左右されて、動きのクセ、ある一定のパターンを伴うようになります。

それは、エサレン流に言えば、心理的なパターンや考え方や行動のパターンにも反映されます。練習や稽古というのは、そういった無意識レベルの自分のパターンをひとつひとつ意識化し、忍耐強く合理的な方向に修正していくカラダの作業です。

それらは(できることなら)楽しみながら、継続して、動きをカラダに染み込ませていくような作業です。結構、知的な作業でもあると思います。

知識や情報を得る、とはまた別のレベルの知的作業です。


さて、なんだか寄りかかれてない感じがする、と悩む受講生のみなさんに向き合っていくうちに”寄りかかれない”カラダのパターンに気づいていきました。そして、それらは個人的かつ個別なものではなく、社会的なものであることにも気づいていきました。

つまり、共通したパターンを、私たちは持っているのです。
和のカラダ、というのは、そうした気づきの結集です。



以前、ブログにこんなことを書きました。

実は、私たちは”和のカラダ”とは真逆のカラダの使い方を学校教育の中で身につけます。

<現代人パターン>

イ)
僧帽筋を使って腕を動かす

ロ)
体軸を捻ってカラダを使う

ハ)骨盤を前傾させてバランスをとる(反り腰)

ニ)
脚部の外側に体重を乗せる

 その結果、多くの人が、「自分は感じることが苦手だ」と”感じて”いるようです。そして、「自分軸」を持つことを困難に”感じて”いるのです。そうした自己認識は、上半身の慢性的な過緊張と、下半身の筋力低下、それらの連動した働きの断絶がセットになっていると私は長年の施術の体験から観察してきました。。

「和のカラダ」の身体パターンは次のようなものです。

<和のカラダ>

ホ)前鋸筋を使って腕を動かす

へ)体軸を捻らずカラダを使う

ト)骨盤を後傾させてバランスをとる(吊り腰)

チ)脚部の内側に体重を乗せるパターン

 

和のカラダは、興味深いことに、上記に示した現代人パターンとは真逆のパターンになるのです。

こうした動きを鍛錬すると、ゆったりセラピストに限らず、施術者であれば、カラダを痛めることがなくなり、しかもタッチの質が格段に高まります。施術者でなくても、心身の安定感と柔軟性が増し、快活さと元気が戻ってくるのです。


和のカラダレッスン in 10周年記念講座
https://blog.esalenbodywork.jp/2023/10/in.html  (記念講座の動画あり)より抜粋


今年も、ゆったりセラピー施術の要オンライン講座では、この和のカラダをテーマに具体的にどういった手技でどういう和のカラダを使うのか、ということを解説していこうかなーと思っています。


もちろん、ゆったりセラピー基礎講座や、心で触れるボディワーク本格コースのデプロマ取得コースでは、じっくりと自身のカラダの使い方に取り組んでいきます。


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<鎌田麻莉プロフィール>
エサレン®ボディワーク(全身オイルトリートメント)の日本の草分け的存在。1987年単身米国に渡り、それから5年、ニューヨーク市に住む。その間、気功、太極拳、ヨガ、チベット仏教に出会い、西洋文化の中で東洋の哲学と身体技法を学ぶこととなった。また、台湾人鍼医の日本人顧客向け通訳としてアシスタントを務め、同時に経絡・鍼灸・漢方処方を学ぶ。その後、ナチュラル・ヒーリングを志して、1990年1月にカリフォルニア州エサレン研究所の集中トレーニングを終了、同年認定。ボディワーカーとしてのキャリアをスタートさせた。1992年に帰国し、日本でのエサレンボディワークの実践をスタート。 1999年-2007年、日本で初めてエサレン®ボディワーク資格認定コースを主宰。「エサレン」の名を日本に広めた。2008年より、心で触れるボディワークスクールを開校、自身で教え始める。震災をきっかけとして2011年より、エサレンのアプローチを着衣のままで受けることのできる「ゆったり整体」の研究開発に着手、それまでの施術者としての経験を「ゆったりセラピー」としてまとめあげた。2013年、社)ゆったりセラピー協会を設立し、セラピストの育成とともに認定講師の養成に注力し、エサレンメソッドを日本の風土と文化に見合う形での普及に取り組む。和のカラダを提唱する。 現在、岩手県花巻市在住、温泉サロン・リラクセーション水心及び、町中サロン・ゆったりサロン絆で、ゆったり®️セラピスト続行中。スクールも花巻にある。

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