2012年12月11日火曜日

肩甲骨をなぞる


11月のスタッフ研鑽会で、取り上げたのは、肩甲骨周り、というか、肩甲帯。
肩周りは、緊張を溜め込んでいる人が多いので、
充分やってあげたい部分だと思うし、時間もかけるけど、
案外、満足してもらうことが難しい部分かもしれないし、
触れ手もいまいち、ようわからん、と思うことも多いかなと思います。

受け手からのもっと圧をかけてほしい、との要望も多いかもしれないし、
それに対して、さまざまなディテールを行うけども、

何をどのように、
 また、どれくらいの分量で、
 圧の強さは?
また圧のかけかたもあると思うけど、
どうしたらもっと効果的に働きかけられる?
と悩むところだと思います。

私としては、まずは肩のディテールに入っていくときに、
かかせないのは、 「肩甲骨をなぞる」ストロークなんですね。

認定コースの中でも、
たぶん、「肩甲骨をなぞる」という表現を使っていたと思うけど、
「なぞる」という表現を使ったためもあって、その真髄が
理解されていないふしがあることに気がつきました。


このデモ動画をみてほしいんだけど、
「肩甲骨をなぞって」います。
みんなが忘れがちなのは、特に上辺なのかなと思います。

このときに 肩甲骨の3辺をきちんと意識して触れていくことと
ここで、充分に寄りかかることが重要です。
ここは、肩甲骨~肩関節~上腕とかなり傾斜しているので
寄りかかっていくのは難しい部分のようです。
結果、充分に寄りかかれていない人が多いです。
また、なぞる、という表現を使っているために「寄りかかる」
というイメージがわかない、ということもあるんだなと、
先月の研鑽会で理解しました。

なぞる、ということで、指先だけに力が入りがちで、
そうすると、肩甲骨周りの肩甲骨を固定する筋群に充分に
働きかけることができないというか、把握できないと思います。

ここで充分に寄りかかってみると、(からだのバランスが難しいですが)
肩甲骨周りの筋の状態が、感覚として把握でき、
おのずと、次に行うべきディテールが決まってくるものです。

菱形筋なのか、小円筋なのか、棘下筋なのか、
肩甲挙筋なのか。
あるいは、もっと僧坊筋に働きかけなければならないのか。

受け手の肩甲骨回りのどの筋がどのように、より緊張しているか
を把握できると、行うディテールを効果的に選択していくことができるように
なります。




2012年11月5日月曜日

揺らしを使ってみよう・足首

今年4月の研鑽会では、足首の揺らしがテーマになりました。

動画をみてください。
本格コースでは、前面のセトリングでこの足首の揺らしをデモでみてもらいますが、受講生のほとんどが、足首の揺らしは難しいと感じるようです。うまく揺れないのですね。でも、この動画で示したとおり、足首を揺らすときの身体の使い方が問題なのです。前腕の回転を伝えていく、というところがポイントです。また、脇をしぼる、ということも必要です。

動画の中で、スタッフが、どの人の足も重くって、というようなことを言っているのが聞こえますが、腕の筋力だけを使って持ち上げようとすると重いでしょう。腰を落として、腰を上げる力で自然と持ち上げます。そうすると滑らかにすーっと持ち上げることができます。やってみてください。

全般に、受け手の身体を持ち上げるときには、このように下半身の動きを使い、いわゆる腕力を極力使わないようにします。このような身体の使い方の練習が必要なんですね。

動画で行っているような足首の揺らしを使うと、股関節の回転の動きを引き出します。
これが、とてもリラクシングなのです。一度味わってみてほしいものです。

セッションをストロークだけでまとめていくと、平板になりがちですが、ほんの一瞬でもこうした揺らしを入れると、受け手に身体の立体感を感じてもらうことができますし、尚且つ新鮮な感覚をもたらします。また、揺らしは骨格を動かすので深部組織まで刺激が到達しますし、広い範囲に自然な刺激が広がります。

触れ手は、こうした揺らしの動きの中に、受け手の身体の生み出す自然な動きを感じ取ることができます。

2012年10月26日金曜日

ボディワークついての考察「自己肯定感」

セッションを始めたばかりの受講生が、よく陥りやすいのは、
自分の行っていることは、
全然活けてないんじゃないの?
とすべてに懐疑的になるということがあります。
あなたも覚えがありますか?
または、そうそうその通り、自分はその真っ只中にいる!
と思うひともいるかもね。

この「自分を否定する」というくせは、
(そう、それはくせなんです)
自分の考えること行うことについて良くない、価値がない、と判断するということです。それは、はじめからそうだったのではなくて、体験として、たぶん子供 のころから、ということになると思いますが、誰かから、繰り返し、「あなたのやること考えることには大した価値がない」というようなメッセージを受け取り 続けたということがあると思うのです。この場合の、誰か、とは親である場合が多いですよね。

小さな子供は、だいたい自己肯定しています。自然にしていれば、というか自然な感覚として「自己肯定」というものがあると思うのです。生きるということは、もともと本来、自己を肯定することに尽きる、と私は常々思います。

そして、それを失いがちなのが、今のこの社会です。残念ながら、子供は、まず最初に親から自己否定を学んでしまうことも多いと思います。

ボディワークは、(一言で言うとすれば)本来、生きている人間ならば自然に身につけている(はずの)自己肯定感を取り戻すためのものです。

自己肯定感とは、自分のからだが今ここにあるという感覚ともいえます。自己肯定感とボディワークとは、ふかーいつながりがあります。

自分で自分を否定するという不自然なあとから身につけた「くせ」によって沸き起こる「感情」に注目し、これに基づいて自分の人生を決定づけていくのは、あまりにもったいない、と私は思います。。
それよりも、「自己肯定感」に注目しそれを十分味わっていくことのほうが重要なことではないでしょうか。自己肯定感とは、良い悪いと何かの評価ではなく、 ある「考え」というものでもなく、「自分のからだの感覚を100パーセント受け入れる」ということから生まれてきます。自己肯定の第一歩は、「考え」では なくて、からだの感覚なのです。現代人が、自己否定感に苦しむのは、とりもなおさず、体の感覚を鈍らしていることで本来自然に身につけている(はずの)自 己肯定感を失ってしまっているからなのだと思います。

からだの感覚に
100パーセント素直に耳を傾け、
そして素直にそれに従う、

これが自己肯定なのです。


そして、これが、私が提唱するところの「ボディワーク」であります。
心で触れるボディワークは、自己肯定感を取り戻していくためのワークですし、自然な本来の自己肯定を「触れること」で手助けしていくためのものです。

そのセラピストが、自己否定感に悩み苦しむというのは、なんたる矛盾でしょうか。
でも、現実には、セッションを通して起こりがちなことなんですね。セラピストは、そういうわなというか、からくりに気付いて、日々、自らの自己肯定感を深めていくような日常を過ごすことが、セッションの場においては受け手を助けていくことに真っ直ぐにつながるのです。

2012年10月8日月曜日

お客さまは本当に満足しているの?

あるスタッフが、こんなことを日報に書いていました。 

お客さまは、途中、寝てしまわれました。寝てしまわれるというのは、気持ちが良いからでリラックスできているということかな、と思います。ということは、お客様は満足してくれている事なのでしょうか。。。
私もこのことについて考えてみました;

眠ってしまった=満足

という単純図式でいいかどうかは、難しいところです。
リラックスできているから、眠ってしまった、ということは言えると思うのですが、


お客様が、
リラックスできた=満足 

という判断をするかどうか、分からないからです。
お客様は、リラックス以外のことを求めているかもしれません。
また、眠ってしまった、ということをどのようにご本人が受け止めるか、わからないのです。

眠ってしまったことを自分で自分を責めるように受け取ってしまう方もいます。

施術のよしあしは、2,3日かけて感じていくものだとも思います。そのときには、よく分からなくても、翌日や翌々日になって、効果を実感したりすることもあるものです。

お客様が、2度目にご来店されたとき、はじめて、

「ああ、気にいってくださったのだなー」と実感できます。
3度目にご来店されると、今度は、

今回はどんな満足をお求めだろう?と改めてアンテナを張らなければなりません。

「満足」という感覚は、とても複合的なものですよね。
 

お客さまがどんな「満足」を求めているか、
アンテナを張り巡らせておくことが大切だと思いますし、
満足していただけなかったとしても、それに気付いて、
どんなことがご不満だったのか、お聞きできれば、
それが次のご来店につながる可能性が出てくると思うのです。
聞いてもらえた、という満足と、

おそらく気付いてもらえたという信頼感を感じると思うのです。

「満足」というのは、複雑で複合された感情だとも思います。
 

私は、施術の中で触れ手は、自分自身の満足感にも
気付いている必要があると思います。


今日、あなたは、自分の施術に満足感や充実感を感じましたか?

このポイントは重要です。

施術において確実に毎回確かめられる満足感とは、このポイントだけだなーと思います。

自分自身の内的な満足感。
我々は、お客様に施術を通して満足いただくことが仕事ですが、
お客様は、本当に様々な期待をもってやってきて、我々の想像が及びもしないことを
感じられて、その全てを表明することなくお帰りになります。
満足していただけたかなー?
と毎回思うから、そして毎回全部は分からないから、
いつでもお客さまに向けて細心の心配りをしようと思えるのではないでしょうか?
答えを見つけることが重要なのではなくて、
問いかけをし続けることが大切なのです。

そしてまた、毎日の実践の中でこのポイント
<自分の満足感、達成感、充実感はどこにあったかな>を
積み重ねていくことが施術をし続ける、ということだなーと思いました。