新型コロナウィルスの感染拡大を巡ってー「パンデミック」

スパニッシュ・インフルエンザ 

今からちょうど100年前、”スペイン風邪”と
呼ばれるインフルエンザの地球規模の流行があった。
それはどんなものだったのだろう?

1918年から1920年までの3年間に、世界中で3度の流行を繰り返し、
少なく見積もって4800万人、多く見積もって1億人の人々の命を奪ったという。

想像を絶する。

ウイルスが原因で、国を選ばず、地球規模であり、
巨大な船で集団感染して人が亡くなり、初動に失敗して感染が広がり
デマが飛び、有名人も多数亡くなった。

あれ? 今の状況と似ていないか?
とはいえ、医療技術的には、現代の方が圧倒的に有利なはずでは?

インターネットを含め、新聞以外の多くのメディアが、情報を発信している。世界保健機構(WHO:人間の健康を基本的人権の一つと捉え、その達成を目的として設立された国際連合の専門機関 by ウキペディア)があり、現代の方が、状況を素早く収束させる有利な条件に圧倒的に恵まれていそうだけれど、単純にそうとも思えない。

当時の人口は17億、現在は75億 。
圧倒的な人口増加、これは不利に働く気がする。

そして、我々現代人のカラダは、100年前の人たちより生物的には脆弱なのでは、と思ってしまう。

この100年で、食べ物は豊富に、(日本の場合は西洋化も進み、)医療が進歩したかのようだけど、だからと言って、心とカラダがより健全になったとは言い難いのではないか。食品は、食品添加物、農薬、化学肥料、放射能で複合的に汚染されている。さらに砂糖の日常的な摂取や、塩や油の品質の低下、ミネラル分の不足する食内容、健康を増進するとは言い難い食習慣や生活習慣、念入りにもそれらを回すための大きな経済システムを築いてしまっている。
表土は、コンクリートやアスファルトで固められ、ウィルスが重力により舞い落ち、他の多様な土壌微生物に揉まれ分解する機会は失われている。健全な表土とそれに基づく微生物の多様性は、人間の免疫系の正常な動作にとって必須の前提条件だけれど、それも失われている。結果、アレルギー症状が蔓延している。

経済最優先の価値観によるストレス度の高さもある。頭ばっかり使ってカラダを使わず、私たちは、相当気をつけていないとすぐに妄想でいっぱいだ。




100年前はどのように感染が広がったのだろうか。

1918年というと、第一次世界大戦の真っ只中だ。スペイン風邪というから、スペインから広がったとばかり思っていたけれど、そうではなかった。

それはアメリカから始まった。1918年の春、すでにインフルエンザが流行っていたアメリカから、多くの若い男たちが輸送船に乗ってヨーロッパに渡った。換気が悪く人口密度が高い船内でどんどん感染が広がり、健康だった若者が死んでいった。アジアからも労働者として多くの人がヨーロッパに渡った。やがて、アジアにも感染が広がり、日本でも数百万人が亡くなった。

日本はこの時期、連合国として、シベリア出兵をしている。兵力7万3,000人(総数)、4億3,859万円から約9億円(当時)という巨額の戦費を投入して、3,333人から5,000人の死者を出し撤退した、とウキペディアにある。もちろん連合国のアメリカ、イタリア、カナダ、イギリスも出兵している。
また、米騒動があった時期だ。第一次大戦の影響による好景気で、それまでの社会人口構造や食習慣・生活習慣までもが変化している。

第一次大戦により、世界はそれまでにありえないほどの人の移動があった。 そして、戦争による衛生状態や栄養状態の悪さもあっただろう。インフルエンザは世界に広がり、多くの兵士がインフルエンザで死んでいった。

今、世界規模で繰り広げられる戦争状態ではない。でも、現代の私たちは、当時の兵士の代わりにツーリストとして飛行機に乗って世界を飛び歩く。船ではなく飛行機で移動し、その頻度と量は100年前とは桁違い。

スペイン・インフルエンザのパンデミックで、世界は、第一次世界大戦の死者数よりも多くの死者を出した。それにも関わらず、後年の歴史的叙述からも人々の記憶からも消えてしまっている。歴史的な検証が、十分になされてきたとは言えない。


新型コロナウィルスの感染拡大に向き合う

私たちが今直面している、新型コロナウィルスの感染拡大にどう向き合うか。
100年前のスパニッシュ・インフルエンザのパンデミックから学ぶことは多いと思う。

これは2、3ヶ月で収束するようなものではないのではないか。これから何度か、流行の波が繰り返される可能性がある。ワクチンや治療薬の開発がうまくいけば、すぐに収まっていくのだろう。でも、それには時間がかかる。そしてそれも対症療法であって、根本対策とは言い難いとわたしは思う。この新型コロナウイルスが収まっても、次の似たような新型ウイルスが出てくるだろう。

軍隊組織に属する兵士たちに感染が蔓延したことは、兵士たちの置かれた環境や栄養状態、そして精神状態が大きかった。体調が悪いと感じた時、無理をしたりさせたりすることが感染の蔓延や病状の悪化につながった。異議申し立てが許されず、過労死や自殺者さえも生み出す日本の職場環境は、兵士たちの状況に近いのではないだろうか。

現代では、栄養状態の問題はない、と言いたいけれど、蓋を開ければ、先に述べたように複合汚染されたまやかしの食品にあふれている。 私たちはそこから抜け出せるだろうか。近代医学の元になっている栄養学に裏付けられた”良い栄養状態”ではなくて、生命力にあふれた豊かな食べ物を生み出す農業と、真に健康に導くような食習慣を、本気で求めないといけないのではないか。

スパニッシュ・インフルエンザの爆発的流行を促進した大きな要因はまた、政府が戦争遂行のために 世界への情報提供を制限しマスコミもそれに従ったことが大きいという。

私たちは、それを今現在進行形で体験している。「戦争遂行」を「オリンピック遂行」と読み替えてみてほしい。

第一次世界大戦で使われた毒ガスが、民間使用に転換され、殺虫剤商品が増えていった経緯がある。これが公共交通機関や公共施設の「消毒」にも使われていった。インフルエンザの猛威の影響があったことは想像に難くない。

これから、新型コロナウィルスを「滅菌」するための消毒サービスが、市場にあふれていき巨大なマーケットを作るのかもしれない。ただでさえ、人々は過剰な潔癖主義傾向だ。(とわたしは思ってる。)それは、人間にとって有用な細菌やウィルスの絶滅の危機、それによる体内微生物層の弱体化を意味するだろう。私たちは、さらなる免疫系の悪影響にさらされる。

根本対策は、どこにあるのだろう?

つまり、生態系の中で確固とした役割を受け持った、地球生命圏を支える謙虚な一員であるウイルス(しかも人類の誕生よりも、天文学的にずっと古くからその役割を担ってきた)を暴走させる根本的な要因は、どこにあるのだろうか?ということだ。

暴走してきたのは、近代を迎えた人類であって、ウイルスではない、ともいえる。

新型コロナウイルスの感染拡大ーパンデミックは、私たちが、先送りしてきた課題を、様々な形で浮き彫りにしてくれている。

このウイルスが生まれてきた本当の理由を、どれだけ真摯に深く受け止められるか、わたしはわたしの内側に問い続ける。


参考文献
藤原辰史:パンデミックを生きる指針ー歴史研究のアプローチ 
船橋真俊:表土とウイルス

そして、わたしを覚醒させてくれる、ゆったりセラピスト仲間との対話。


これから読もうかなと思ってる文献
藤原辰史:「戦争と農業 」、集英社インターナショナル新書、2017年
マーティン・J・フレーザー「失われてゆく、我々の内なる細菌」、山本太郎訳、みすず書房、2015年


そして最後に素晴らしいメッセージを紹介したい。





ゆったりセラピーの学校メールレッスン、
新しく始まりました!




 <心で触れるボディワーク無料オンライン講座>

   ー毎月一回中継 ー



詳しくはこちらから

http://bodyworkjp.org/kokofure-webseminar/





鎌田が行うゆったりセラピーのデモンストレーション



<ゆったりセラピー施術の要オンライン講座>

詳しくは、こちらから

http://bodyworkjp.org/kaname-webseminar/

 
 
==

社)ゆったりセラピー協会の
施術者養成 3つのトレーニング


ゆったりセラピー基礎講座

心で触れるボディワーク本格コース

フェイス・ヒーリングコース

==



【書籍】

「~世界で愛される癒しのエサレンメソッド~

  心で触れるボディワーク」


詳しくは、こちらから
http://bodyworkjp.org/shoseki-kokofure/

==


社)ゆったりセラピー協会
http://bodyworkjp.org/


鎌田麻莉の公式無料メルマガ
「エサレンアプローチへの一つの明確な答え」
(月3−4回配信)
登録はこちらから
https://mm.jcity.com/MM_PublicSubscribe.cfm?UserID=amuesa&MagazineID=1&MoreItem=1




コメント

人気の投稿