太古の感覚を呼び覚ます
ゆったりセラピーって何がいいの?
ということで、
リラクゼーションなんだよ、
気持ちいいんだよ、
と言っているわけですが、
ゆったりセラピーの”効果”を解剖生理的に説明すると
どうなる?ということで以下の5点をあげておりました。
1、自律神経系のバランス
2、内分泌系の変化とバランス
3、原始感覚系の活性化
4、脚部の筋肉群の連動性の回復と体軸感覚の復活
5、筋肉は、感覚器官なのだ。(もちろん、皮膚も)
今回は、3、原始感覚系の活性化を取り上げます。
原始感覚系って何だっけ?という感じかなと思うのですが、
まずは、私たちの皮膚って感覚器官でもあります。
いろいろな感覚を皮膚を通して感覚していますよね。
皮膚には、神経末端と感覚受容器と呼ばれる器官があって
それらを通して、さまざま感覚をキャッチし
情報が大脳皮質に伝えられています。
大脳皮質では、その感覚が体のどの部分から送られてきたのかによって
活性化する部分が決まっており
送られてきた感覚を素早く判断評価して的確な対応をする、
というわけです。
これが識別感覚系、と呼ばれています。
この識別感覚系、に対しての原始感覚系、なんですよね。
そもそも、進化の過程で、より早く的確に伝えるいう方向で
知覚神経は発達してきた、と考えれていて
原始感覚系、というのは、進化に取り残された
重要ではない、神経繊維だ、と考えられていたわけです。
識別感覚系の神経繊維が十分に発達すれば
ゆくゆくは消えていくのだろう
と考えられていたのだそうです。
ところが、実は、どうも重要な役割を果たしてているらしい
ということがわかってきたのです。
むしろ、その重要な役割のために進化の過程で残された、
とも言えるというのです。
その原始感覚系は、ゆっくりと触れられた時だけに反応します。
秒速5センチのゆっくりさ、に反応する、というのです。
ゆっくりと触れられると、
遅速C繊維と呼ばれる神経繊維がが反応し、
他の触覚刺激とは違った神経ルートを通って ”ゆっくりと”大脳皮質に伝わり、
しかも広範囲が活性化するのだ そうです。
ゆっくりと触れられる刺激は、 遅速C繊維によって捉えられ、
原始感覚系を通ってあちこち寄り道しながら、
結果、ゆっくりと大脳皮質に到達し、
知覚情報としての速度や精度は落ちているともいえますが、
その代わり、大脳皮質全般が活性化され、「情動」が喚起されるというのです。
情動とは、「快」「不快」です。
快とは、心地よさであり、
愛と安らぎの感情であり、
統合的で、自己肯定的な、自己認知です。
原始感覚系を活性化させることは
太古の、人間としての本来の感覚を取り戻すことなのかもしれません。
ゆったりセラピーのゆっくりとした触れ方は、
忘れ去られようとしている
太古の感覚を呼び覚ますのです。
山口創(やまぐちはじめ)先生が 、著書「皮膚感覚の不思議」の中で
遅速C繊維について言及しておられます。
まだ、読んでいない、という方、ぜひ読んでみてください。
また、私のブログでも書いています。
心で触れる研鑽会 秒速5センチの、「十分なゆっくりさ」
https://blog.esalenbodywork.jp/2019/01/blog-post_15.html
心で触れる研鑽会 ゆっくり触れると・・・
~セラピストの寄って立つところ
https://blog.esalenbodywork.jp/2019/01/blog-post.html
(記事中に公開されている動画が現在なぜか視聴できなくなっています。
ご了承ください。)
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エサレン研究所についてや、エサレンボディワークについて、そしてゆったりセラピーについては、できるかぎり分かりやすく網羅的に記述した本を出しているので興味のある方は、ぜひそちらを読んでいただければと思います。
書籍〜世界で愛される癒しのエサレンメソッド〜
心で触れるボディワーク
<鎌田麻莉プロフィール>
エサレン®ボディワーク(全身オイルトリートメント)の日本の草分け的存在。1987年単身米国に渡り、それから5年、ニューヨーク市に住む。その間、気功、太極拳、ヨガ、チベット仏教に出会い、西洋文化の中で東洋の哲学と身体技法を学ぶこととなった。また、台湾人鍼医の日本人顧客向け通訳としてアシスタントを務め、同時に経絡・鍼灸・漢方処方を学ぶ。その後、ナチュラル・ヒーリングを志して、1990年1月にカリフォルニア州エサレン研究所の集中トレーニングを終了、同年認定。ボディワーカーとしてのキャリアをスタートさせた。1992年に帰国し、日本でのエサレンボディワークの実践をスタート。
1999年-2007年、日本で初めてエサレン®ボディワーク資格認定コースを主宰。「エサレン」の名を日本に広めた。2008年より、心で触れるボディワークスクールを開校、自身で教え始める。震災をきっかけとして2011年より、エサレンのアプローチを着衣のままで受けることのできる「ゆったり整体」の研究開発に着手、それまでの施術者としての経験を「ゆったりセラピー」としてまとめあげた。2013年、社)ゆったりセラピー協会を設立し、セラピストの育成とともに認定講師の養成に注力し、エサレンメソッドを日本の風土と文化に見合う形での普及に取り組む。和のカラダを提唱する。
現在、岩手県花巻市在住、温泉サロン・リラクセーション水心及び、町中サロン・ゆったりサロン絆で、ゆったり®️セラピスト続行中。スクールも花巻にある。
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