2019年1月15日火曜日

秒速5センチの、「十分なゆっくりさ」

山口創(やまぐちはじめ)先生が 、著書「皮膚感覚の不思議」の中で 遅速C繊維について言及しておられます。

 私たちの皮膚に存在する感覚受容器の中で、 ゆっくりと触れられた時にだけ反応する神経線維があるというのです。



進化の過程で私たちの知覚神経は、 より速く伝わるように進化してきた、と考えられています。 つまり、そのことにより、 より状況に素早く反応、対応でき、 生存に関わるリスクを回避し、 またより良いコミュニケーションを維持できる というわけですね。

だから、ゆっくり触れられた時にだけ反応する、 遅速C繊維は、進化に取り残された 古い神経繊維で、神経系が発達すればするほどその役割を失い、 やがて進化の過程で消えていくものだと 考えられていたわけです。ところが実は、どうも重要な役割を果たしてているらしい ということがわかってきたのです。むしろ、その重要な役割のために進化の過程で残された、とも言えるのです。

ゆっくりと触れられると、 遅速C繊維が反応し、 他の触覚刺激とは違った神経ルートを通って ”ゆっくりと”大脳皮質に伝わり、 しかも広範囲が活性化するのだ そうです。

実は通常の触覚刺激は、 ”速く”伝えるための神経ルートを 、より素早く伝わるように、 得られた刺激(情報)量を適度に削ぎ落として 伝達されていくらしいのです。
感覚の自動的な取捨選択、というか、神経細胞が伝えるべき情報を選ぶということが起こるんですね。。。

これが、識別感覚系と呼ばれる神経伝達ルートなのです。

識別感覚系では、多分、生存本能にとってこれは重要というような 感覚だけがピックアップされるのだろうと思います。そして、その刺激の起こった場所に対応した、大脳皮質の限られた部分だけを 活性化させ、認知や判断という処理をより”素早く”するのですね。

この神経ルートが作動するとき、私たちの意識は、外側に向くのではないでしょうか。私自身の体験から、なんとなくそんな風に感じています。



一方、ゆっくりと触れられる刺激は 、細分化されていない未発達と考えられる別ルートをゆっくりと伝わって、結果的に 大脳皮質全般を活性化させるといいます。

この伝達ルートは、原始感覚系と呼ばれます。

ゆっくりと触れられる刺激は、 遅速C繊維によって捉えられ、原始感覚系を通ってあちこち寄り道しながら、結果、ゆっくりと大脳皮質に到達し、 知覚情報としての速度や精度は落ちているともいえますが、 その代わり、大脳皮質全般が活性化され、「情動」が喚起されるというのです。

情動とは、「快」「不快」です。

快とは、心地よさであり、
愛と安らぎの感情であり、
統合的で、自己肯定的な、自己認知だと
私は捉えます。

ここがとても重要で、こうした経緯で、副交感神経系のスイッチがオンになる、 というのは、なるほど、と頷けます。

セラピストは、つまり、この「快」の引き金を引かなくてはならない、
と私は考えるのです。

そして、この原始感覚系という神経ルートが作動する時、私たちの意識は、内側に向くのではないでしょうか。





 遅速C線維が反応するゆっくりさは、 秒速5センチと言われています。

セラピストの皆さん、いかがですか?

私は、ゆったりセラピー協会のコースの受講生のセッションをモデルで受ける機会も多いのですが、 流石に彼らは、だいぶ、ゆっくりです。 でも、大概は、もう少しゆっくりだと もっと気持ちいいんだけどなーと感じることが多いのです。

そこで、そういうふうにフィードバックして、”ゆっくり触れる”ことにさらに取り組んでもらいます。

ゆっくり触れる、ということは 大変シンプルなことに思えます。 そうしようと思えば、 すぐにできそうなものです。でも、実際にはそうではないんですね。

原始感覚系が作動する十分なゆっくりさ、
秒速5センチが
「快 」の引き金を引くのです。

思考が止み、太古の感覚に還る時、
私たちの内側で
何が起こるのか、ということなのです。






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2019年1月8日火曜日

ゆっくり触れると・・・
〜セラピストの寄って立つところ

”人がリラックスしている”状態というのは、
思うよりも複雑な要素で成り立っています。

常に緊張を抱えている人、というのは案外多いんですよね。
それは、温泉サロンで施術をしていると身にしみて感じます。

温泉、という場に、わざわざいらしている、ということは、”リラックスしていい”場所に
自分で足を運んでいるはずなんですが、何らかの緊張を手放すことができずにいる。

慢性的な心身の緊張状態を引きずり、十分にリラックスできないのです。

もちろん、だから、(それを自覚しているいないに関わらず、)サロンにいらしていただいていると思います。

一般的に施術者が、躍起になってほぐそうとする筋肉のコリも、そうした心身の慢性的な緊張の現れだと認識していく必要が、私はあると思います。



 さて、私たちの心身は、リラックスしている時に副交感神経系が活性化し、休養・回復モードとなり、メンテナンスされるのでしたね。

では、緊張状態、とはどういった理解が必要でしょうか。

生存本能に従って、生命維持という大命題のために私たちのからだは、あらゆる”危険を察知”し自動的にそれに対応するようにセットされます。

これが”緊張状態”であり、交感神経系のスイッチがオン、の状態なんですね。

交感神経系のスイッチが、生物本能的に自動で瞬時に入るのに比べ、副交感神経系のスイッチがオンの状態というのは、”社会的に学ぶ”ものなんです。つまり、リラックス、とは学んでいくものであり、学ばないと手に入れられない、と理解しなければなりません。実は、ここがボディワークなんですよ。

学ぶ、というとあたかも知識を得ていくことのように思われる方もいらっしゃると思いますが、ここでいう 学ぶ、とは、ボディランゲージというか、自分自身の内側の感覚に気づくというか、言葉以前のからだに刻み込んでいく学びというか、からだで覚えるというか、そういうレベルの「学ぶ」です。

実は私たちは、この「学び」を十全に行うために、わざわざ未熟な状態で生まれてくるように進化したのです。群れを作り、社会を構成するために有用な神経系を発達させるためでした。
生き残るために、より頑健な肉体に進化していくことよりも、それらを手放すことで、神経系に刻まれた高度なコミュニケーション能力によって社会化し、安心と安全を確保することを選んだのです。(正確には、その種が偶然にも最終的に人類として生き残ったというわけですね。肉体強靭派は早い時期に絶滅してしまったらしいのです。。)


世界がどのように安全で安心できるものなのか

私たちは、赤ん坊の時に、お世話をしてくれる大人から(多くは、母親だと思いますが、)そのタッチや声音、表情や空気感から学びます。

この学びは、神経的な刷り込みとなっていきます。つまり、反射的な神経反応になっていくのです。そしてこれらのコミュニケーションに関わる神経反応は、その個人の生育環境から、言葉以前にからだで学んで得ていく、その人特有の”固有”の神経反応になるのです。

(これが、私が、ポージェス博士のポリ・ヴェーガル理論 (多層または多重迷走神経論)から得た認識なんです。邦訳が去年出版されていますが、実はまだ読んでいないのですよ。違っているところがあったら、指摘していただけるとありがたいです。)



”リラックスしていいかどうか、実際にどのようにリラックスするか”は、まだ言葉を習得する以前にからだで学び、その頃に設定された社会神経反応に左右された、その人固有のの社会環境(=家族環境)からの学びの結果です。

このことは、のちに大人になったその人の社会生活を決定づけます。つまり、コミュニケーションのあり方、リラックスのあり方を無意識レベルで左右するのです。

ある人にとってはリラックスできる状況がある人にとってはそうでなはい、ということが起こりますし、リラックス、というのは、繊細で複雑な心身の神経反応であり、同時に社会的であり統合的なものなのです。

そして、リラックスは、私たちが心身を健康に維持していくために絶対的に、かつ定期的に保持されなくてはならない心身にとって必要な状態であり、「社会」(=コミュニケーション)を健全に維持していくための要でもあります。

だけど、多くの人が十分”リラックス”できないために、様々な心身の問題を抱えていくのです。それは、大人になって、リラックスを再度学ぶ、健全な機会があまりにも少ないからです。飲酒や、喫煙や、その他の何らかの依存状態が、リラックスの代替になっていることが多いわけですが、健康や関係性を損なうリスクが付きまといますし、実際にそのリスクに直面している人も多いでしょう。

緊張状態は、日々の生活の中で波のように、時には嵐のように繰り返しやってきますが、それは生物本能的にそのようにからだがセットされているからです。”緊張”は、生き残るための反応なのです。そしてその反面、その緊張を解きリラックスする方法を、私たちは、意図的に学ぶ(=体験する)必要があり、それを実践する必要があります。そうでないと心身のバランスを保つことができず、リラックスを”繰り返し”実践しない限り、心身は疲弊してしまうのです。

加えて現代社会は、物と情報の大量消費を前提とし、環境破壊的で、人工的に緊張状態を生み出す方向性に溢れています。

我々セラピストは、ここを出発点とするべきだと、私は常々考えています。




リラックスは、副交感神経系のスイッチがオンになってもたらされる心身の状態でしたね。そしてそれが心身の休養と回復、メンテナンスを促し、さらには自然治癒力の発動を促すのです。

だけど、同時にリラックスは、固有に刷り込まれた(学んだ)社会的神経反応に左右され、複雑で繊細な、その人その人の独自の機構なのです。


では、我々セラピストは、どのように、
どの人の”リラックス”(副交感神経系)スイッチも
確実に”オン”にできる技を使えるのでしょう?


そのことへの答えを今から述べましょう。


人は、触れられる、という体験がいつでも安心で安全な体験であったとは限りません。触れられることで、逆に緊張してしまう人も、実は、たくさんいることを私は長年の施術の体験から学んでいます。

それは、今日述べたような言葉以前にからだに刻まれる、社会的神経反応のなせることです。リラックスは、本人さえも気づかない無意識レベルに沈んだ、からだの引き金(神経反応)に操作されるのです。

だけど、私の経験から、ほぼ100パーセントの人に有効と思われる、確実な、リラックスを引き出す、触れる技があります。

それが、「ゆっくり触れる」ということなんですね。

これが、エサレンアプローチの実践で私が学び、30年という歳月をかけて自身を鍛錬してきたことでした。


シンプルすぎて

だからそれが何~?!

と思われる方も多いでしょう。


でも、ゆっくり触れる、ということは施術者にとってそんなに簡単ことではありません。我々セラピストは触れる時、普段のパターン化した自身の心身の使い方から”素早く”触れがちなのです。そのことにより、クライアントのリラックススイッチ(副交感神経神経活性スイッチ)を、十全にオンにすることができない、ということが起こります。

そこから一歩出て、新しく学び、身につけた身体技法を使って、十分に”ゆっくりと”クライアントに触れる必要があります。

そのことにより、クライアントの副交感神経系を確実に作動させ、深いリラックスへとガイドすることができるのです。

これは、 ゆったりセラピー協会で行なった実証実験でも示されたことでした。

 ゆったりセラピー協会で行なった実証実験
2014年秋に行われた、ゆったりセラピーを受けた場合と、
通常のいわゆる揉みほぐしの施術を受けた場合の
自律神経系の数値の違いについての、実証実験の結果報告。
桜美林大学の山口創教授に分析していただきました。
山口先生には、実験の組み立てから機器の提供など、
実験の全般にわたってご協力いただきました。
(2015年2月11日開催のゆったりセラピー研究会からの映像。
音声が聞き取りにくいですが、ご容赦ください)


リラックス=リラクセーションまたはリラクゼーションとは、

脳神経系のリセット効果を生み、だから、筋肉のコリも解消する、そうした順番で捉える必要があると私は考えています。

施術者が、外側からコリに働きかけてなんとかほぐそうと、あれこれ触れるのとは全く違った効果が、エサレンアプローチの求めるところであり、それを十全に生かす施術の体系が、ゆったりセラピーです。

加えて、施術者が、身につけた身体技法と技で、ゆっくり触れる時、同時に自身もゆっくりと触れられる体験をすることになリます。こうして施術者自身のリラックススイッチ(副交感神経スイッチ)も作動し、自身の心身のメンテナンスも同時進行でなされるのです。

このように、ゆったりセラピーでは、セラピーの双方向性と相乗効果が生み出されていきます。

これが、ゆったりセラピーの特徴であり、その身体技法が、”和の身体技法”です。

同手同足で手を差し伸べ、すり足で動き、寄りかかり、返しを捉え、さらに手のひらを柔らかく使って、クライアントのからだにどこまでも寄り添っていく、深部組織を感覚し触れていく。このようにして、クライアントに安心安全を再体験してもらう。リラックスを味わってもらう。そして、慢性化している緊張状態から、自ら解放される。

コリは内側から、解けて軽くなっていくものです。

そこを目指し、そこに寄って立つ、セラピストでありたいと思います。



ゆっくりと触れる、とき、もう一つ、注目しておきたい神経生理があります。


それは、ゆっくりと触れられた時だけに作動する、「遅速C繊維」と呼ばれる神経繊維の存在です。ここまでで十分に長くなってしまったのでページを変えて、それについては述べますね。

 次ページはこちら
秒速5センチの、「十分なゆっくりさ」



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2018年10月26日金曜日

「存在感」 の源は、触覚

【足の裏の接触感を失うと(忘れると)心身はとても不安定になります。】


接触感覚が何もなくても、この世に存在できるかというと、というか、
接触感覚がもし何も無くなってしまったら、
実のところ、生きているのか死んでいるのか分かりません。

「身体」はどこかに消え失せてしまったかのようでしょう。



触覚、皮膚感覚は自己の存在を確認するためには、不可欠のものです。いや、立ち上がって、どこにも触れていなくても大丈夫、自分自身を確認できるよ、と言うかもしれません。

でも足の裏はどうでしょうか?
地面に、接しています。

仮に宇宙空間にいるとして、重力から離れて宙に浮いているとしても、皮膚は宇宙服の質感を感じていることでしょう。

この触覚、接触感が、自己の存在感「自分がここに居る」と感じる源です。



足の裏の接触感を簡単に忘れられるのが、現代社会の特徴だといえるでしょう。たくさんの情報が、皮膚感覚をともなうことなく脳細胞に侵入してきます。日常生活を維持するために足腰を使うこともとても少なくなりました。

スイッチひとつ、クリックひとつで物事が進んでいきます。

足の裏の接触感を失うと(忘れると)
心身はとても不安定になります。

逆に足の裏の接触感に意識を向けると
心が落ち着くのに気がつくでしょう。



寄り添う触れ方の技法講座では、
この足の裏の接触感に意識を向けることからスタートします。

まさに、我々はいつでも重力の作用により地球によって触れられています。その触れられている感覚が安心感の源だと言っても過言ではないと 私は常々思っています。

ゆったりセラピーの施術では意図的に足の裏を触れていきます。
なぜなら、足の裏の接触感は、自己の存在が安定したものだと感じるための最初の拠り所だからです。



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2018年9月29日土曜日

感じるからだ、感じないからだ

「感じる人と、感じない人というのがあって

自分は感じない人だと思っていた」

とよしこさんは言います。


”よしこさん”とは、現在、ゆったりセラピーインストラクーとして
ゆったりセラピー基礎講座を東京都内や
千葉、船橋の自宅サロンで精力的に開催している
角田よしこさんのこと。



彼女は、震災の年、心で触れるボディワーク本格コースを終了後、
私が当時、花巻市内で開いていた温泉サロン2カ所で
セッションをしてくれる委託スタッフに応募した。
7年前のこと。

翌年、2012年春、彼女は、フリーランスで行っていた
マーケティングリサーチャーという専門職をひとまず畳んで、
ボディワーカー修業するために花巻にやってきたわけです。

折しもその時、
私は、花巻市の街中にもう一軒、店を開いたばかりで
そこで行う着衣の施術、その時はまだ
ゆったりセラピーという呼び名はなかったけど、
それをこなす、地元スタッフの養成に取り組んでいました。

彼女は、図らずもそのトレーニングに同席します。

できる限り、短期間で基本の手技を身につけて
全身オイルトリートメントを除いた
一通りのサロンメニューをこなせるようになってサロンデビューする

そのクラスメンバーは、そういうミッションを抱えていました。

このクラスが、現在の 社)ゆったりセラピー協会の

ゆったりセラピー基礎講座の土台になりました。

何回か回数を重ねていくトレーニングの中で
その内容は吟味され、

手のひらの力を抜くということが
”感じる”ためには決定的に必要で、

そのために、どんなからだの使い方が重要で、
そしてそれが実現されると
タッチの柔らかさや深さや強さが増し、
触れることの質が上がることが明確になっていきました。

よしこさんは、
からだの使い方にさえ気がつけば、

その瞬間に

感じる手 に変わる、ということを自身が体験するのです。

そして、


「私は、感じない人ではなかった、
 ただ、感じることを閉じ込めていただけだった」


ということにも気がつくのです。

その時、タッチの質は劇的に変化します。

そして、その変化は、触れられる側にも明確に感じられるのです。

それは、感じるからだ、というものが

触れる側にも触れられる側にも
開かれる瞬間だと言っていいのかもしれません。

 

よしこさんは、花巻で一年半、セラピストとして修業した後、
自宅のある千葉の船橋に戻り、サロンを開くとともに
今度はゆったりセラピー協会の最初の年のプログラムに参画することにもなり、
マーケティングリサーチャーとしての専門スキルを使って
ゆったりセラピー基礎講座のテキストをまとめあげてくれ、
そして自身が、ゆったりセラピーインストラクターになりました。

今度は自分が味わった感動を
認定インストラクターとして
受講生の皆さんに提供する側になったのです。

先日、心で触れるボディワーク無料TV講座の一環として
私は、よしこさんの自宅サロン スペース道草 を訪問し、
ゆったり整体の施術を受け、
その後、「ゆったりセラピーってなあに?」のテーマで
彼女と語り、それをライブ中継しました。

その録画がこちらです。(1時間ほど)

 ==

【心で触れるボディワーク無料TV講座】
2018年9月25日(火)午後4時〜5時 「ゆったりセラピーってなあに?」
千葉県船橋市、スペース道草から。
現在精力的にゆったりセラピー基礎講座を教えている、ゆったりセラピーインストラクターの角田よしこさんのサロンを鎌田が訪ねます。施術も受けて、その後、中継します。
全く別の分野から、ボディワークを学び、それを仕事とするまでの角田さんの軌跡や、
現在の想いなどをざっくばらんに語ってもらいながら、「ゆったりセラピーってなあに?」を探って行きます。

==


さて、よしこさんは、
自分を”感じない”人だと思っていたわけですが、

そうではなく、感じることができない
からだの使い方を身に付けていただけなんです。

そのことは、よしこさんの責任ではありません。

ということを私は強調しておきたいのです。

私は、エサレンの資格認定コースも含めて
長いこと施術者トレーニングに関わっていますが、
実は、ほとんどの受講生が、
感じることのできる、からだの使い方とは
”真逆”のからだの使い方をすでに身につけて
トレーニングにやってきます。

そう、よしこさんと同じなのです。

そのことに、私は徐々に気がついていて、
静かに密かに驚愕しました。

まさか、そんなことはあるまい、と。

私たちは、いわば ”感じないからだ” を
歴史的に、公的な教育の一環として
「綿密に」 学ぶのです。

否、学ばされ、身につけるのです。

それは、政治が変わろうとも支配体制が変わろうとも
日本の風土の中で、一般庶民が連綿として受け継いできた生活文化、
そしてそれを支える からだの文化が意図的に奪われた、

ということなのだと思います。

それはちょうど150年前、
脱亜入欧、富国強兵を掲げた明治維新から始まり
73年前の敗戦により、その後、
一層徹底されたのではないでしょうか。


この ”奪われ”たからだ について、
一年ほど前にも書いていましたので
興味のある方は是非お読みください。


 ”奪われた”からだ (心で触れる研鑽会ーゆったりセラピー研究ー)
https://blog.esalenbodywork.jp/2017/07/blog-post_11.html


==

ゆったりセラピーの隠されたミッションは、


奪われたからだを取り戻す、
ということなのかもしれません。


とすれば、

ゆったりセラピスト®️とは、

奪われたからだをまずは自身が取り戻し、
施術者として、触れることの質と真実を探求する人なのです。


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2018年8月28日火曜日

心身のつながりを探求する「ソマティック心理学」

ソマティック心理学という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

私が、初めて「ソマティクス」という言葉を聞いたのは、
1990年にカリフォルニアのエサレン研究所で
エサレンマッサージ(エサレンボディワーク)の集中トレーニングを
受けていた時でした。

そのトレーニングの担当講師だった
ブリィータ・オストロムトとディーン・マースンの
プロフィールにこう書いていました。

「2年間のソマティック・トレーニングを終了。」

な、なんだ?
ソマティックって?

と思ったのでしたが、
どうやら、からだに意識を向けてそれを言葉で表していくようなことを
微に入り細に入りやるらしい、

とわかりました。
(ディーン・マースンがそう言っていて、
でも彼は、そのトレーニング、少々彼にとってはto much だった、と言っていて
あまり楽しめなかったようです。)

私としては、当時はそれでお終い。

エサレン研究所では、まだまだ日常的には
「ボディワーク」という言葉が使われていました。
のちにそれらは「ソマティクス」と言い換えられていくことになります。

私が、米国に住んでいた1980年代後半は、
70年代のトーマス・ハンナの「ソマティクス」提唱から時を経て
ドン・ハンロン・ジョンソン博士らにより、
大学院レベルの「ソマティック心理学」の学部がすでに設立され
「ボディワーク」がアカデミズムの論壇で議論されるようになっていたのですね。

その余波というか、その影響でエサレンのマッサージのティーチャーたちも
ソマティック・トレーニングを受けるような環境になっていたのだと思います。



ソマティック心理学、とは
西洋版心身一如というか、心身のつながりを探求する学問です。

日本を含めて、東洋では
伝統的に心身を一つのものとして扱かう
文化を育ててきたと思いますが、

西洋文化の中では、伝統的に精神性と身体性は厳密に分離されて
身体性というものが重要視されなかった、らしい。
キリスト教の影響かな。

あまり、そこらへんは詳しくはないので、「らしい」としか言えませんが、

そういう中で、現代の医療のメインストリームとされている
西洋近代医学も 身体、と精神は、厳密に分けられ、
一緒に扱われることはなかったというか、むしろ、するべきでないと考えられて、
そして、実際、せずに発展したということかと思います。

そこらへん、身体性と精神性、もっと統合的に学問していかないと
人間というものは捉えられないんじゃないの 、というのが
ソマティック心理学がやろうとしていることだと思います。

日本では、2015年に日本ソマティック心理学協会が設立されて、
ようやく、学問の存在そのものが一般に知らされるようになったばかりですが、
私は、学問分野の人間ではないので、(徹底的に実践派、かな 良くも悪くも)
ソマティック心理学が、どうたら、
ということよりも、

明治以来、怒涛のような力で、西洋化、軍国主義化した日本で、
失われてしまった、心身一如の生活文化、身体文化を
取り戻していくことにとても興味があるのです。

ゆったりセラピーが、それに役に立てば良いなと思っているし、
施術者が、必要な(失われた)身体技法を復活させ身につける、という意味では
むちゃくちゃ役に立つよね、と思ってます。

 先日(2018年8月26日)の 心で触れるボディワーク無料TV講座の録画、
よかったら、ご覧ください。

心身のつながりを探求する「ソマティック心理学 」のテーマで
一時間、語り続けております。




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2018年8月6日月曜日

「ボディワーク」そして「ソマティクス」

私が、カリフォルニアのエサレン研究所で
マッサージセラピストとしてのトレーニングを受けたのは、
1990年1月のことでした。

今振り返ると、1990年というのは、
まさに全米に”統合医療”という新しい医療の概念が
広がっていく前夜でしたね。



そして、トーマス・ハンナが提唱した「ソマティクス」という概念が、
ボディワーク という表現に取って代わろうとしていた時期でもありました。

ドン・ハンロン・ジョンソン博士らの尽力で、大学院レベルで
ソマティクスおよびソマティック心理学を学ぶ道筋はすでにできており
東洋の心身一如の哲学や身体技法が米国のアカデミズムの場で
扱われるようになっていたと思います。

でも、当時のエサレン研究所では、
まだまだボディワークという言葉はトレンディに使われている印象で、

よく「ボディワークする」とか、

「ボディワークしてみよう」

みたいなニュアンスで使われていたように覚えています。

それはどういうことかというと、
自分自身の体の感覚にフォーカスしてみよう、
それを言葉で表現してみよう、

というようなことだったと思います。

私は、それまでに
単身ニューヨークに渡ってすでに3年ほど暮らしていましたが、

その前は、岩手県は花巻という東北の片田舎を出たことのない人間だったし、
ゲシュタルトセラピーやエンカウンターなどの
言ってみれば、心理療法の”ニューウエーブ”にも触れていなかったどころか

日本にいる頃、心理療法やセラピーを体験したこともなかったし、
いわゆるニューエイジ的な情報もそんなに持っていなかった。
(そのころはスピ系という表現はなかったと思う。 スピ系とニューエイジでは、なんか根本的なところが違っている感じがする。)

とはいえ、当時のニューヨークでの体験や
日本を出るまでに そういえば、「宝島」や「ガロ」は読んでたし、
片桐ユズル先生の本も読んでたなー。

なので、ニューエイジ的なものに全く無縁ではないにしろ、
と言って意識的にどっぷり浸かっているわけでもなく
積極的に学んでいたわけでもなく、

そういう志向はあったかもしれないけど
どちらかというとぼーっとしていただけだった、とも言える。

そんなんで、
いきなりエサレン研究所の集中トレーニングを受けたので
言ってみれば、ニューエイジの旋風のど真ん中に、
真っ裸で断崖絶壁から海に飛び込むように
ざっぷーんと飛び込んだみたいなもの。

まあ、何にせよ、服は脱がなくてはならなかったけどね。
それには、あまり抵抗はなかったかな。


のちに日本に戻ってきてから、

グラバア俊子先生の論文
「ボディ・ワークーからだを通しての自己成長ー」
(『現在のエスプリ「ニューセラピー」』、1991/02)
を読んで、

その中に
シン・インテグレーション(ロルフィングとから派生したボディワーク)
のマーク・カフェル博士の言葉の引用があり、

「ボディワークとは、ニューエイジの用語である」を目にしたときに

ほお、ニューエイジなのかー
でも、ニューエイジって何?

と心底思ったものでした。

そんなことはどうでもいいんだけども。
(今はニューエイジって言葉、どういう感じなんでしょうか?
私は、もう今ではあまり聞くこと使うことももないです。)

さて、私が述べたい大事な点は、
90年代に始まった米国でのいわゆる医療改革の一連の流れが、
全米に統合医療という考え方を定着させていく、ということです。

米国の医学部には、統合医療センターが併設されるようになり、
医師になるには、メインストリームであるとされてきた西洋近代医学の他に
 代替療法について学ばなければならなくなりました。

そして、この医療改革を推し進めた真の立役者は、
まさに米国の一般大衆であったということです。

当時(1980年代後半のニューヨーク市)、
医師の診察を受けるのには75ドルかかりました。
そして、同じように心理療法や、マッサージセラピー、
あるいは他のボディワークや東洋的技法のケアを受けるのにも
同じように75ドルかかりました。

どれを選んでも同じくらいのお財布の痛みがあったのです。

なので、サービスを受けようとする一般人は
真剣にどのケアを受けようか考えます。
安易に、じゃあ、とりあえず病院に行こう、とはなりません。

そして、80年代に起こったことは
一般大衆が、自分自身の健康を取り戻したり
健康を維持増進するために、
正規の医療とされる西洋近代医学以外のあらゆるケアを
試し、評価し、選択し、
代替療法として受け入れていったのです。

それが90年代に入るとさらに加速し、

その実態は、当時の米国の医療界を
このままではダメだ、と震撼させるに足るパワーだったわけです。

そして、そのパワーの源は、

外側から評価し判断される、「健康」や
これがそうだよ、と外側から与えられる「幸福感」に
満足しない多くの人たちが、

自身の内側のからだの感覚として
どーんと感じる、実感・体感に基づいて
自身の健康や幸福感を求めて行動し、
必要・有効だと感じたら、
躊躇せずにそれに手を伸ばし、そして育てた

ということだったと思います。

これはまさに、エサレン研究所で培われた
「ボディワーク」「ソマティクス」の概念

<内側から感じるからだに基礎をおく>が、

大衆的な広がりを遂げ、

ついには、米国の医療改革を牽引したと言って良いと
私は考えているのです。


日本での医療改革につながる活動は、
私の知るところでは、

80年代後半からは、ホリスティック医学協会や

2000年に入ってからは、統合医療学会の活動がありますが、

米国で起こったような全米に広がるうねりのような

医療改革の波には至っていない、

しかしながら、そうしたことは
今、日本で
強く求められているところではないでしょうか。


この時代の要請とも言える
現代の医療改革というムーヴメントの核は、

繰り返しになりますが、

医療を提供する側にあるのではなく、

医療を受ける側、消費者、一般大衆である私たちが、

自身の健康と幸福を
内側の自身の実感・体感から
求めていく、

決して諦めない、そして言いなりにもならない、

内側から感じる”からだ”を取り戻していく、

ということにあると思うのです。

そういう意味で

日本における「ボディワーク 」「ソマティクス」の役割は

まだまだこれから、なのだと思います。

私は、”ゆったりセラピー”もその一環を担うと自負・自覚しています。




<心で触れるボディワーク無料TV講座>

 7月18日(水)午後8時半ー9時半の ライブ中継講座の 録画です。

「ボディワーク」そして「ソマティクス」


岩手県花巻市の心で触れるボディワークスクールの茶の間からお送りしています。書籍「世界で愛される癒しのエサレンメソッド〜心で触れるボディワーク」より、Chapter2「ボディワーク」そして「ソマティクス」の内容を著者の鎌田麻莉が解説します。

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 <心で触れるボディワーク無料TV講座>
   ー毎月一回中継 ー

詳しくはこちらから
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鎌田が行うゆったりセラピーのデモンストレーション

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詳しくは、こちらから
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施術者養成 3つのトレーニング


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心で触れるボディワーク本格コース

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「~世界で愛される癒しのエサレンメソッド~

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詳しくは、こちらから
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また、上記の書籍に書ききれなかった

社会神経系については、


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に書いています。


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2018年8月2日木曜日

2019年心で触れるボディワーク本格コース
早期申込&分割払い特待生 について

<心で触れるボディワーク本格コース2019年日程>が
決定しました。


レベル1 2019年1月28日(月)ー2月2日(土)
レベル2 2019年5月27日(月)ー6月1日(土)


心で触れるボディワーク本格コースの詳細ページはこちら

早期申込割引期限は、2018年11月28日(水)となっていますが、

受講料が月賦で支払えたら、もっと受けやすいのになーと思われている方

また、受講料の都合が付き難いために諦めていた方にも受講していたゞけるように

今回も「早期申込&分割支払い特待生」を募集します。

本格コースの概要は、上記のリンクページからご確認ください。

特待生は、受講料が12回分割のお支払いとなります。






「心で触れるボディワーク本格コース早期申込
     &分割払い特待生」募集要項

==

お申し込み期間 2018年8月15日ー10月15日


ご希望の方は、下記のお申し込みフォームを、送信してください。
コメント欄に、「早期申込&分割支払い特待生希望」とお書きください。

お申し込みフォーム

応募者の中から、書類選考させていただきます。
お申し込みフォームの送信をされたら、
願書を必ず、FAX送信してください。


*願書は、上記のお申し込みフォームのページに
PDFファイルでアップされていますのでダウンロードしてください。
ダウンロードができない方は、フォームのコメント欄に
願書送付希望とお書きください。
郵送またはFAXいたします。

願書の到着期限は、10月15日(月)までです。

お支払いの詳細です。

==
特待生の決定について、10月20日(火)ー25日(木)にご連絡を差し上げます。
特待生になられた方は、10月31日(水)までに初回お支払い金額35,400円
(受講料の初回お支払い額30,000円と入会金5,400円の総額)
を銀行振込でお支払いください。
(会員の方は、初回お支払い金30,000円となります。)

その後、口座振替のお申込用紙をお送りしますので
お手続きをお願いいたします。(会員の方は必要ありません。)

 分割のお支払いは、残金を12回に割って
口座振替により、2018年1月10日からスタートします。

残金、月々のお支払い金額の詳細は以下になります;

==
■DVDセットをすでにお持ちの方は、
350,000円−30,000円=320,000円 
これに口座振替手数料130円✖︎12回=1,560円

総額 321,560円 

一回のお支払い金額 26,790円(端数切り上げ)

■DVDセットをお持ちでない方
350,000円−30,000円=320,000円
DVDセットの代金 14,800円
口座振替手数料130円✖︎12回=1,560円

総額 336,360円

一回のお支払い額 28,030円

==


以上になります。


心で触れるボディワーク本格コース特待生 について

ご検討いただければ幸いです。

ご希望の方は、下記のお申し込みフォームを、送信してください。
コメント欄に、「早期申込&分割支払い特待生希望」とお書きください。

お申し込みフォーム 


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社)ゆったりセラピー協会の
施術者養成 3つのトレーニング


ゆったりセラピー基礎講座

心で触れるボディワーク本格コース

フェイス・ヒーリングコース

==



【書籍】

「~世界で愛される癒しのエサレンメソッド~

  心で触れるボディワーク」


詳しくは、こちらから
http://bodyworkjp.org/shoseki-kokofure/


また、上記の書籍に書ききれなかった

社会神経系については、


【「なぜ、顔なの?」メール講座】

に書いています。


詳しくはこちらから
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フェイス・ヒーリングコースに興味のある方は
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