「幸せホルモン」とゆったりセラピー
リラクゼーションやボディケアの領域では、身体の痛みや強張りを悩みや問題と捉えてそれをなんとかしよう(痛みを軽減したり、凝りを緩めたり)というアプローチをテーマにすることが一般的です。施術者もそういう意図で、さまざまな施術方法を学んで、自身の施術に活かしていこうという姿勢になりがちかと思います。
「問題や悩みの部分」を乗り越えて(取り除いて)健康を維持する、回復するという方向性は、メインストリームである西洋近代医学、医療の基本的な考え方なのではないかと思います。
リラクゼーションやボディケアの領域で働く私たちが、医療者ではないにもかかわらず、なぜか、こうした医療的な発想に陥りがちなのは、残念な感じがします。せっかくだから、医療が提供できないことを提供したらいいのではないかと思うのです。
どういうことかというと、心地よさ、気持ちよさ、安心感、幸福感、充実感を感じることで、「問題や悩みの部分」が改善したり、乗り越えやすくなったりもすることは少なくありません。医療ではないからこそ、そうした取り組みをしていくことの意味合いは大きいのでないかと私は考えています。ゆったりセラピーの「ゆったり」はそういうことを意味しているんですよね。
まして、高齢化社会の医療ということを考えると、 病気を完治させて元のような身体になって、より一層元気に働く、「そうなったら幸せでしょ」というゴールは、はっきり言ってないわけです。はっきり、「ない」っていうのは少し勇気がいるけど、事実「ない」よね?
老いは、心身の状態を変化させ、衰えさせ、明確に死に向かう。「問題や悩みの部分」を改善するにも、心地よさ、気持ちよさ、安心感、幸福感、充実感を中心に据えないと、なんだかさっぱり意味がわからない、ってことになりかねない。つまり、何が言いたいか、そう、これからの医療には、「ゆったり」の視点が必要よね、と言いたいのでありました。
さて、心地よさ、気持ちよさ、安心感、幸福感、充実感を感じる上で欠かせない体内物質があります。
それが「幸せホルモン」と呼ばれている「オキシトシン」「セロトニン」「ドーパミン」「エンドルフィン」です。
今日は、この4つの「幸せホルモン」について知識を共有したいと思います。
一つは、オキシトシンです。オキシトシンは、脳の視床下部で合成されて下垂体から分泌されているホルモンで、「愛情ホルモン」「思いやりホルモン」「幸せ(幸福)ホルモン」などの呼び方が一般的にされています。触れること・触れられることによって分泌が促進される性質があります。様々な働きが近年分かってきました。
不安や恐怖の感情が減る
怒りやイライラの感情の緩和
穏やかになる
愛情深くなる
ストレスが緩和する
ストレスを感じることが減る
癒される
他者への信頼が増す
他者への共感性が増す
社交的になる
好奇心が高まる
学習意欲の向上
記憶力の向上
心肺機能の向上
摂食抑制
痛覚伝達に作用(鎮痛)
自閉症症状改善
骨の形成
骨格筋に作用
腸炎の抑制
免疫力向上
感染症予防
幸せな気分になる
一つは、セロトニンです。松果体で合成分泌され、生体リズムや神経内分泌、睡眠、体温調節などに関わっていると言われています。セロトニンは、脳内だけではなく腸や血液中にも多く存在するそうです。セロトニンは幸福感や幸せ、安心感など精神を安定させ、自律神経を整え、ストレスを軽減させる働きがあることがわかっています。また食欲にも深く関わっています。
セロトニンが増えると
安心感が増える
リラックスできる
精神の安定
頭の回転が良くなる
幸せを感じる
自律神経が整いやすくなる
ストレスを軽減する
囚われが減る
体温調整
睡眠の質の変化
鎮痛
消化器官への影響
などの効果が知られています。セロトニンの分泌を促すこととして以下のようなものがあります。
日光を浴びる(朝が良い)10~30分
リズミカルな運動(ウォーキング、ダンス、歌うなど)
バランスよく食品を摂る
感動などの喜ばしい感情や涙
咀嚼
良い睡眠
心地よい触れ合い
癒しの体感
温泉や旅行
一つは、ドーパミンです。脳の側坐核(そくざかく)から分泌される神経伝達物質です。
やる気が出る、気持ち良い、心地よいなど「意欲や快楽」に関係しているのがドーパミンです。
人間が行動を起こすとき、「苦痛を避けるか」「快感(楽しい・報酬性がある)を得るか」の2つの選択肢があるとされています。
その快感を得るために行動を起こす時、そこにドーパミンの分泌があるとそうです。
幸せを感じる
ワクワクする
ポジティブになる
行動したくなる
達成感
興奮する
楽しみになる
嬉しい
学習性の向上
快感
運動調節
ホルモン調節
などがあると考えられています。
ドーパミンの分泌を促すものとしては
目標の達成
特に小さな目標を繰り返す
楽しいとき
笑う
褒められる
やる気が出るとき
美味しい
ときめき
好奇心が高いとき
報酬が得られると思えるとき
ポジティブになるとき
バランスの良い食事
運動
ワクワクして小さな目標を達成し、褒めることを繰り返すことでドーパミンの分泌が促されるのだそうです。
一つは、エンドルフィンです。エンドルフィンは、脳内で機能する神経伝達物質で、モルヒネと似たような作用があり、幸せや幸福感を感じる特徴と鎮痛効果があると言われています。ランナーズハイなど極限状態でも分泌されているものです。
エンドルフィンの効果としては、
気分の高揚
幸せや幸福を感じる
集中力の向上
記憶力の向上
鎮痛効果
苦しみを癒す効果
ストレスが減る
免疫力の向上
回復力の向上
エンドルフィンの分泌を促すものとして
痛みがあるとき
ストレスがあるとき
運動
辛いものを食したとき
スキンシップ
美味しいものを食べたとき
満たされたとき
本能が満足
良い睡眠が取れたとき
などがエンドルフィンの分泌を促すそうです。
愛情と思いやりの「オキシトシン」
安心とリラックスの「セロトニン」
やる気の「ドーパミン」
高揚の「エンドルフィン」と言えます。
この4つのホルモンは、心の存りように関わっているとともにお互いに関わり合いながら体内のさまざまな化学合成や化学変化を促進あるいは抑制し、カラダの精巧かつ複雑な自動制御装置を動かし調整しています。ゆったりセラピーの提供する触れ方の質は、これらのホルモン分泌やバランスに大きく関わります。
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<鎌田麻莉プロフィール>
エサレン®ボディワーク(全身オイルトリートメント)の日本の草分け的存在。1987年単身米国に渡り、それから5年、ニューヨーク市に住む。その間、気功、太極拳、ヨガ、チベット仏教に出会い、西洋文化の中で東洋の哲学と身体技法を学ぶこととなった。また、台湾人鍼医の日本人顧客向け通訳としてアシスタントを務め、同時に経絡・鍼灸・漢方処方を学ぶ。その後、ナチュラル・ヒーリングを志して、1990年1月にカリフォルニア州エサレン研究所の集中トレーニングを終了、同年認定。ボディワーカーとしてのキャリアをスタートさせた。1992年に帰国し、日本でのエサレンボディワークの実践をスタート。
1999年-2007年、日本で初めてエサレン®ボディワーク資格認定コースを主宰。「エサレン」の名を日本に広めた。2008年より、心で触れるボディワークスクールを開校、自身で教え始める。震災をきっかけとして2011年より、エサレンのアプローチを着衣のままで受けることのできる「ゆったり整体」の研究開発に着手、それまでの施術者としての経験を「ゆったりセラピー」としてまとめあげた。2013年、社)ゆったりセラピー協会を設立し、セラピストの育成とともに認定講師の養成に注力し、エサレンメソッドを日本の風土と文化に見合う形での普及に取り組む。和のカラダを提唱する。
現在、岩手県花巻市在住、温泉サロン・リラクセーション水心及び、町中サロン・ゆったりサロン絆で、ゆったり®️セラピスト続行中。スクールも花巻にある。
ゆったりセラピスト・鎌田麻莉のHP
カラダ・最後の砦を守り抜くために
https://kokorodefureru.com/
地球とつながり、心で触れる
ゆったりセラピーの学校
https://esalenbodywork.jp/
社)ゆったりセラピー協会
https://bodyworkjp.org/
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詳しくは、こちらから http://bodyworkjp.org/kaname-webseminar/
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